第5970号 1面では「総合的な学習で育つPISA型学力」を掲載!


「総合的な学習」で育つPISA型学力

先進校ほど効果顕著

日本生活科・総合学会プロジェクトチーム調査

日本生活科・総合的学習教育学会のプロジェクトチームは6月14日、同学会全国大会で「総合的学習で育った学力調査」中間報告を公表しました。

調査から、総合的な学習の時間に先進的に取り組む学校と一般校を比較した結果、先進校ほどPISA調査で試されるキー・コンピテンシー(主要能力)が培われていることが明らかに。

今週はトップニュースとしてこの報告の内容を詳しくお伝えするとともに、同学会代表の村川雅弘・鳴門教育大学教授にお話を伺います。


多様な進路へ学校複線化

新たな職業教育機関も

教育再生実行会議、学制改革で素案

政府の教育再生実行会議(座長=鎌田薫・早稲田大学総長)は6月11日、学制改革に関する提言の素案を議論しました。

素案は、義務教育段階の円滑な移行を進めるため、小中一貫校の制度化を求めるとともに、高等学校の早期卒業の導入や職業教育のための高等教育機関の創設を提案。

戦後、高等学校・大学の進学率が上昇する裏で普通科教育の形骸化が指摘されてきましたが、進路選択の多様化を促すため、学校体系の複線化を求める内容です。

紙面ではこの素案の具体的な内容について掲載します。


放課後子ども教室 放課後児童クラブ

連携どう進める

「一体化」、方法次第で課題も

千葉県我孫子市「湖北台西小あびっ子クラブ」

宮城県仙台市「わいわいパーク黒松」

共働きの家庭などの小学生が放課後、適切に遊び、生活できる場を提供するために行われている厚生労働省所管の「放課後児童クラブ」(学童保育)。

平成25年には約21,000カ所のクラブに約890,000人の児童が登録しているものの、約9,000人が待機児童となっています。

子どもの小学校入学と同時に放課後面倒を見る必要に迫られ、保護者が退職を余儀なくされる「小1の壁」。

学童保育の増設が必要とされる中、政府の産業競争力会議が打ち出したのが、全ての児童にさまざまな活動、体験の場を提供する文部科学省所管の「放課後子ども教室」との一体化または連携した形での整備です。

両者の一体化・連携は平成19年に始まった「放課後子どもプラン」でも打ち出されていましたが、「放課後子ども教室」が約600カ所の実施にとどまることもあり、実現したのは一部の地域だけでした。

一方、先進的に一体化を進めた地域では、「午後5時までは子ども教室として開催し、それ以降は学童保育」または「子ども教室が午後7時まで活動場所を提供する」という例が多く、「静かに過ごしたい留守家庭の子の居場所がなくなる」など課題も出てきています。

今週の【教育改革】面では「放課後子ども教室」と「放課後児童クラブ」の両者がうまく一体化・連携している事例として、千葉県我孫子市「湖北台西小あびっ子クラブ」と宮城県仙台市「わいわいパーク黒松」の取り組みをリポートします。


各専門高校長会が総会・研究協議会

工業 目的意識、1年次に培う

商業 検定合格者、大幅に増加

農業 来年度、顕彰制度創設へ

水産 韓国の事故を教訓に

家庭 外部検定を積極活用

看護 50周年祝い飛躍誓う

定時制通信制 多様な学びを追求

英語 国際人材育成へ連携

総合学科 学科の魅力、広く発信

全国高等学校長会の総会・研究協議会に合わせ、専門学科などの校長会が5月19~23日、首都圏で相次いで総会・研究協議会を開催。

商業と看護がそれぞれ周年行事を開いた他、工業、家庭、定時制通信制、英語、総合学科の5つの校長会で理事長の交代がありました。

今週の【高校・特別支援学校】面では各専門高校長会の模様をお伝えします。


特集

英語教育改革、国のビジョンは

義本博司・文部科学省審議官

太田光春・文部科学省視学官

国際社会で活躍できる「グローバル人材」を育成するため文部科学省が打ち出した英語教育改革実施計画。

計画の実施に向けて国はどのような道筋をつけようとしているのでしょうか。

今週は特集として文部科学省の義本博司・審議官、太田光春・視学官へのインタビューをお届けします。


Labo教育講座

科学的根拠に基づく教育予算

成果検証で有効な配分を

中室牧子・慶應義塾大学准教授

財政状況の厳しい地方自治体や教育委員会の要望を受けて、教育政策の効果に関する分析や検証を行なっている中室牧子・慶應義塾大学准教授が自身の取り組みを解説します。

教育政策には「エビデンス」(科学的根拠)の視点が必要だと強調する中室准教授。

世界的に主流になりつつあるという教育政策のインパクト評価、ランダム化比較試験による教育政策の効果測定とは。

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